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──起業の理由を教えてください。なぜインターネットに着目したのですか?
高校生のときに当時ソニーの社長だった盛田昭夫さんに手紙を書いたら、お返事をいただいたんです。その中に「これからは通信の時代」という一文があり、ずっと心に残っていたんですね。
大学で日本のインターネットの父である村井純先生から、直接学べたことも大きかったと思います。
インターネットはネットワークとネットワークがつながるしくみです。つながるためには互いの意思が必要で、さらに交渉や貢献も欠かせません。
簡単ではないけれども、インターネットが広がれば、どんな生まれでも、ハンディキャップがあっても、誰もが個として公平に活躍できる。
父が身体を悪くしてその悔しい思いも知っていたので、余計にそう強く感じたのかもしれません。
──石田さんの考え方の基本となっている、アーキテクト思考について教えてください。
アーキテクトは建築という意味ですが、建築には都市全体を俯瞰して見るような大きな視点と、細部に目を凝らすようなものづくりの両方が求められます。その両方の視点を行き来しながら、ゼロから全体を構想していくのがアーキテクト思考です。
最新のテクノロジーとハードウェア、ソフトウェアをどう組み合わせるかという技術的思考だけでなく、コストやユーザービリティ、さらにはどういうルールを作るかといったところまで、仮説と検証をものすごいスピードで繰り返しながら、最適解を導き出す。
日本にはプログラマーも、プロジェクトマネージャーもいますが、もうひとつ上の視点を持つ、アーキテクト思考が足りないと感じます。
──経営者として大切にしていることは何ですか?
パーパス型経営という言葉もありますが、人が集団で何かに取り組むときにはやはり、理念が必要だと思っています。「Internetをひろげ、社会に貢献する」という理念をどう守り、どう実現していくのか。そのためにどう事業を展開していくかということを、経営者として常に意識しています。
もうひとつはやはり人材です。アーキテクト思考を持つ人をいかに生み出していけるかだけでなく、そういう人を支えたり、異を唱えて議論ができるようなチームが組めるか。組織的な価値観を作っていくことが重要だと考えています。
──どのような人と一緒に働きたいですか?
世の中に対して諦めていない、より良い世の中にしていける、していくのだという気持ちを持った人でしょうか。 まず信じる気持ちがなければ、そこへ貢献もできないと思うからです。
そういう当事者意識を持ち続けられる人と一緒に働くことができれば、最高だと思います。
そのために我々にできるのは、そういう志を持った人が抑制されることなく成長を続けられる、プラットフォームを提供することだと考えています。
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